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連帯感と信頼関係がある

否定的なことばかりを書いておいてこんなことを言い出すのは何だけれど、私は個人的には結婚はいいものだと思う。そこは檻でも墓場でもなく、パラダイスとまでは言わないけれど、考えようによっては居心地がよく、そこそこやり甲斐のある場所だ。たとえ話に夢がなくて申し訳ないが、結婚というのは「田舎の中小企業」みたいなもんだなと最近私はよく思う。地方都市の小規模なものだって、ひとつ会社を設立するとなればいろいろ大変である。資金の問題やら、取り引き先への挨拶やら、登記やら、税金対策やら考えなくてはならないことが山のようにあるだろう。数ある問題をとりあえずクリアして、共同経営者と共に会社を立ち上げたその時、誰もが希望に満ちているはずだ。それと同じように、どんな結婚も最初はまっすぐに幸福を目指している。そしてたとえば十年後、よほど無謀なことをせず大きなトラブルもなかったその会社は、全国的には無名でも安定して少しずつ利潤をあげ、不況のあおりを食らうことがあっても少ない従業員に給料とボーナス、二年に一度くらいは慰安旅行を与えることができる会社に成長しているだろう。仕事はルーティン。取り引き先もあいかわらずで、日常的には大した変化はないかもしれない。けれど、退屈だからといって、急に大きな借金をして無理に事業を広げたりしたら、十年かかって安定させた会社をつぶしてしまうことになるかもしれない。共同経営者や従業員のことを考えたら、ちょっと退屈になったくらいで会社をつぶしていいわけがない。それに自分がやりたくてはじめた会社なのだし、築いてきたさまざまな人間関係に愛情もあるはずだ。結婚というのは、そんな感じでどこか不自由でも、自分がやっているのだという責任感と充実感、かかわってきた人々との連帯感と信頼関係があるものだと思う。そういう意味で、結婚はいいものだ。

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