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自動販売機をごみ販売機にしない

東京都新宿区の『空き缶・吸い殻等の散乱防止に関する条例』、萩市の『廃棄物の処理及び減量並びに地域美化に関する条例』では、自動販売機の管理者は、自動販売機の周辺を清潔に保持しなければならないと規定している。つまり、自動販売機とごみのポイ捨ては、無関係ではないことを表している。日本で初めて登場した自動販売機は、一八八八(明治二十二年に出たタバコの自動販売機と言われているが、飲料の自動販売機が全国的に展開されたのは、百円硬貨が通貨として使われるようになった一九五七年以後のことである。すなわち、日本の自動販売機の普及と百円硬貨の流通は深いつながりがあると考えられる。百円硬貨一枚で冬は暖かい飲み物、夏は冷たい飲み物が買えることから、飲料自動販売機は急成長を続けた。その後に消費税の制度が発足して、ほとんどの自動販売機は一一〇円に値上げされたが、利用者は減少しなかった。現在では、自動販売機が取り扱う商品はますます多様化して、タバコをはじめとして飲用水や様々な飲料、ビールや酒類、アイスクリーム、菓子類、カップ麺、フィルムや乾電池、切符、切手まで自動販売機で販売されるようになった。日本自動販売機工業会がまとめた資料によれば、一九九五年現在の国内の自動販売機普及台数は五三九万五六六〇台で、これらの自動販売機の年間総売上高は六兆四八八二億円である。巨大な市場と言われる所以である。清涼飲料他の飲料の自動販売機は、全国各地で大人から子供まで便利に利用している。しかしながら、自動販売機から多量の空き缶、空きびんが発生することも事実であり、利用者に良識がなく、容器の回収が不十分であると、自動販売機はごみの販売機になってしまうのである。公園や道路に空き缶や空きびんが投げ捨てられるようになったのは自動販売機が開発されたからではない。最近、市町村が条例を制定して自動販売機の設置者に空き缶などの容器の回収を義務づけているが、必要なのは自動販売機を利用する側か容器をきちんと定められた場所に置くマナーではなかろうか。