よくあるのが、効果のあった実験や研究を持ってきて、だからこの健康(栄養)補助食品を摂りましょうというものです。注意してほしいのは、その健康(栄養)補助食品を摂って出た結果かどうかです。疫学調査であれば、天然の食べ物を食べていて出た効果です。だからといって合成の単品の健康(栄養)補助食品を摂る理由にはなりません。後で見るベータカロチンの例にあるように、かえって害になるかもしれないのです。試験管の中の実験であれば、その結果が人間に当てはまるとは限りません。人間が何かを食べて得られた効果というものは、消化活動を経て、栄養素が体の各組織や細胞に運ばれて、その運ばれた場所で本来の働きをするかどうかで測られなければ意味がありません。また食べたものには腸の中にすみついている腸内細菌も関係してきます。同じ物質でも、口から摂るのと、注射などで投与した場合では効果に違いが出てきますが、腸内細菌はその大きな原因の一つになっています。ベータカロチンには、免疫を活発にする作用があるのですが、この作用は、口から摂取しないとありません。□から摂る場合は、腸管を通るので、そこで腸内細菌によって何らかの作用を受けている可能性があるわけです。注射の場合は、いきなり血液中に物質が入るので、胃腸の消化吸収作用も腸内細菌の作用も受けていません。ほかに口から摂る場合と注射で投与する場合で効果に明らかな違いの見られるものに漢方薬があります。また口から摂ったものがすべて体の中に吸収されるとは限りません。ミネラルの中にはほんの数パーセントしか吸収されないものもあります。また脂溶性のビタミンEは、脂肪と一緒に摂らないと吸収されません。動物実験で使われた動物と人間では同じ結果が出るとは限りません。ビタミンCはほとんどの動物が体内でつくれますが、人間はつくることができません。また、毎日決まった時間に餌を与えられている動物と人間とが同じ環境にあるとは考えられません。