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ルビーとサファイアにおける「整形」の方法は加熱処理

タンスの引き出しに仕舞っておいたエメラルドが色落ちしていて、唖然とした経験のある方は大勢いることでしょう。恒久不変の宝石がいつの間にか変色していて驚かれたことでしょうが、石に染み込ませた油が抜け落ちたことが原因だったのです。こうした処理をしたものについても、鑑別書には石が本来持っている美しさを引き出す処理をしたと書いてあったりしますが、これはさすがに誤魔化しでしょう。はっきり「油性含浸あり」と記すべきです。エメラルドの油漬けは、最初からエメラルドをより高額の商品に仕立て上げるという業者の意図が露骨で、許しがたいと思っています。ルビーとサファイアにおける「整形」の方法は加熱処理です。ほとんどのサファイア原石は、青インクを薄めたような色で、店頭で見られるような紺色や透き通った青色のものはごくわずかしかありません。そこでどうするか。色の薄いサファイアの原石を、高温で熱すると、内部にある有色元素の酸化チタンが内部拡散処理をおこし、より一層濃い色に変化するのです。ルビーも同様です。ルビーの燃えるような赤というのは、つまるところルビーを燃やした赤であるわけです。この加熱処理に関しては、「もっと長く地殻の中で熱を受けていれば、加熱処理を施したのと同じように鮮やかな色になっていたはずだ。だから問題はない」という専門家もいます。その理屈を全否定するつもりはありませんが、やはりそれは売り手側の都合、理屈だという気がします。買い手側からすれば、どのような整形を施したかを納得したうえで買いたいと思うことでしょう。