日本の労働者派遣法は1986年7月に初めて施行された当初と比べると、ずいぶん様変わりしたといえよう。すなわち、人材派遣=TemporaryWorkという理解はすでに困難であり、欧米との比較がむずかしいほどの日本的人材派遣がここに誕生したといっても過言でない。理由は三つある。第1は、派遣先企業が臨時的に派遣を受け入れたとしても契約の更新を重ね、結果として中長期的派遣になってきているという点。第2は、バブル不況を経験しか派遣先企業が人件費の固定化を避け、雇用責任のない派遣を多様に使ってきたため。法令の主旨に反して派遣先の常用雇用労働者との代替が進展してきたといえる。第3は、派遣で働く側も臨時的・一時的に働くことを希望せず、できるだけ雇用の安定を求めてきたため。不況期では雇用の場が制限され派遣市場に参入した人たちが増えたことが背景にある。では、この先はどうなるのだろうか。これは私の独断と偏見になるが、ここまで日本の人材派遣が様変わりしてしまうと、現行法の規制は中途半端になってしまった感がしてならない。そうならば、規制は許可制などの最小限にとどめて、期間制限は臨時的・一時的業務も26業務と同様に撤廃して自由にしてはどうだろうか。派遣の利用期間は市場の判断に委ねるというアメリカ方式がわかりやすい。反面、労働者の権利の侵害などには、厳しい罰則を用意して対処すればよい。法律はわかりやすいほうがよいのではないかと思う。