ウチの母親についてもう一つエライと思ったのは、子どもに「アホ」といわんかったことや。実際、二人の兄弟がいて、片方の子が思いどおりに勉強ができて、片方の子は全然勉強できないとなると、できない方の子についアタってしまうのが人情やないやろうか。弟は、小学校二年生までの落ちこぼれの時期は、まだ小さかったから「自分はアホや」という自覚がなかったとよくいう。そして「でも、あの当時、まわりからアホといかれとったら、自分のことをアホやと思ったかもしれない」ともいう。現実に、人から見てアホな子が、自分でもアホやと思ったら、もう勉強をするなり、立ち直る気にはならんやろ。ボクの母にしたって、ボクの父なり母なりの学歴を客観的に考えたら、ボクが勉強ができる方がマグレで、弟の方があたりまえと考えてもおかしくなかったと思う。しかし、仮にそう思っていたとしても、弟の前ではそのそぶりも見せんかった。