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LEDの光は気品がありながらも濃い印象がある

グエナエル・ニコラいつも「動きのあるデザイン」を考えるという、デザイナーのグエナエル・ニコラ氏。そのコンセプトはインテリアやプロダクト、さらにはパッケージのデザインなど、すべての活動領域からうかがえる。なかでも、より強くそれを表現するインスタレーションで大きな役割を果たすのが光だ。2010年のミラノ・デザインウイーク「SWAROVSKICRYSTALPALACE(スワロフスキー・クリスタル・パレス)」で発表した「SPARKS(スパークス)」は、スワロフスキー社のクリスタルガラスとLEDを組み合わせたふたつのインスタレーションからなる。一方は、クリスタルを帯状に10m連続させた作品。その上を流れ星のように光が走ったり、ある部分だけが点滅してキラキラと光が宙を舞ったりする。もう一方は、透明なバルーンの中に浮いたように見えるクリスタルが、静かに光をたたえる作品だ。複雑なカットを施したクリスタルが光を乱反射し、幻想的な光景を見せていた。「クリスタルを重力から解放し、空気のように軽く見せることをテーマにしました」とニコラ氏は語る。「クリスタルの形ではなく光のマジックだけが来場者の心に残るように、光が生きているように見せたかった」という。2年前にこのアイデアを考え付いたときは、LEDの素子がクリスタルのサイズに対して大きかったり、サイズが合っても光量が足りなかったりして実現できなかったが、ようやく「素材だけが光って見える」イメージを可能にするLEDが登場し、作品化に至った。08年にも、ニコラ氏はLEDを巧みに扱った自主企画作品「LIGHT―LIGHT(ライト・ライト)」をミラノで発表している。暗闇に整然と並ぶ72本の黒い筒。先端にはピンポン球程度のボールが隠れている。リズミカルに筒から空気が吹き出すと同時にLEDが点灯し、宙に浮かぶボールの下半分を照らし出す。まるで光るボールのラインダンスのようなその作品は、多くの来場者をとりこにした。さらにさかのぼれば、06年のムーブル・パリ(パリ国際家具見本市)では、LEDの光を用いた和の表現にも挑んでいる。旭化成ケミカルズが当時開発したばかりの面発光アクリル板を出展するにあたり、ニコラ氏はこれをLEDと組み合わせ、四季の移り変わりを光で表現する茶室「FOURSEASONS(フォー・シーズンズ)」をつくった。こうしたニコラ氏のデザインは、映像への強い関心と結び付いている。動的なゴッドロールが可能となるLEDを活用し、今後も新たな世界を見せてくれるに違いない。