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《伝統的》《現代的》な類型にカテゴライズされる人のみ入居可

公営住宅は単身者の入居を排除していた。しかし、一九八〇年から高齢の単身者などに限って入居が認められた。この制度改正は、福岡市を舞台として七五年に始まった「ひとり暮らし裁判」の成果である。単身者の住宅改善を求める法廷闘争は、公営住宅の入居資格を改変させた(河野ほか一九八一)。政府が入居要件の変更要求を受け入れたのは、高齢の単身者が「カテゴリー」に当てはまることが一因である。若年の単身者は「カテゴリー」に合致せず、公営住宅に入居する資格を依然としてもっていない。

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政府は二〇世紀の末から住宅政策を再編し、住宅システムの市場化を推進した。公営住宅はセーフティネットとしての位置を与えられ、その供給対象の「カテゴリー」化がいっそう進展した。公営住宅の対象は「住宅に困窮する低額所得者」の全体であるよりは、その範囲内の「カテゴリー」世帯に狭まっている。政府は「高齢者」「障害者」「母子世帯」などの《伝統的》な類型に加え、「災害被害者」「DV被害者」「ホームレス」「犯罪被害者」「子育て世帯」といった《現代的》な類型を準備し、セーフティネットのターゲットが「カテゴリー」世帯であることを強調した。低所得である以外に特徴をもたない人たちが公営住宅に入居できる可能性は低下した。