多少手がかりを考えておくなら、平屋を建てるということがある。家は2階建てにするものという先入観は捨てた方がよい。大都市の密集地帯では無理になっているが、建てたい家の広さと敷地の所在により建蔽(ぺい)率で算出される建てる家の広さの限度がイコールなら、平屋にすることを考えてみること。庭は小さい程よいという、住んでからの感じ方もある。これからの老齢化社会ではこんなことがあると思う。庭の草取りに難儀している年寄りが多くなっている。この点でも昔の町屋の建て方に学ぶ点がある。平屋というのは2階建てよりも家全体を使って住めるから、車椅子になろうがなるまいが、便利に住める家の造りようだと思ったらよい。家の間取りを「廻れる家」にしておく配慮があればなおよい。どんな間取りかお分かりでないと思うが、家の中の或る場所に行くのに2つ以上の道筋がある間取りのことをこう呼んでいる。昔の家の間取りにはそれがあった。部屋と部屋とが繋がり合っていて、縁側や廊下があれば2つ以上の道筋ができる。道筋といっても廊下ばかりとは限らない。部屋の中を通り抜ける道筋もある。