九四年にオンライン上でのCD販売のパイオニア(先駆者)としてビジネスをスタートしたCDナウなどはその典型例です。できるだけ大量のトラフィック(ウェブサイトへのユーザーのアクセス数)を獲得することを目指して同社は、オンライン上でのバナー広告をはじめとして、ラジオ広告、テレビ広告といったオフライン媒体へと積極的な広告展開を行いました。CDナウーブランドの認知率を高める取り組みだけでは十分でないと強く認識した同社のCEOジェイソンーオリムは、リピート客からの購買を促すためのブランド訴求力向上への取り組みにも力を注ぎました。その結果CDナウの全売上のうち半分以上がリピート顧客によるものになるほど徹底して既存顧客の深掘りを行っているのは同社の大きな特徴です。同社がブランドの訴求力向上にあたって機軸としたのは顧客満足度の達成でした。具体的には、ウェブサイト上での顧客の体験をできる限り満足度の高いものにするために品揃え(五十万を超えるCD、五万の映画、一万の音楽ビデオなど)やウェブサイト上での使い勝手(検索・リコメンデーション機能の充実、パーソナル機能の追加)といったサービス品質面での強化を徹底して追求しました。ポイント割引(Fastforwardreward制度)や情報発信(CDナウーアップデイト)などのツールを駆使して顧客のCDナウーブランドヘの帰属意識を喚起する試みも顧客囲いこみにあたっての有効な手段となりました。